トップページ

 

 防衛特別法人税    

Ⅰ  概要

令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、防衛特別法人税(財務省によると「仮称」)が課されます。施行期間は「当分の間」となっています。

税額は  (基準法人税額 - 基礎控除額 ) × 4%

基準法人税額は、所得の金額に対する法人税額及び課税留保金額に対する法人税額

 所得の金額に対する法人税額 (別表一)「2」-「3」+「4」+「6」+「9の外書き」 ± その他
 課税留保金額に対する法人税額 (別表一)「8」欄の金額

基礎控除額は 年500万円です。

要納税額が生じる場合は、次の税額を控除します。
 イ 外国税額の控除
 ロ 分配時調整外国税相当額の控除
 ハ 控除対象所得税額等相当額の控除
 ニ 仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う防衛特別法人税額の控除

防衛特別法人税の申告期限及び納期限は、各事業年度の所得に対する法人税の申告期限及び納期限と同一です。

Ⅱ  申告書

国税庁から 申告書の様式 が公表されています。以下、それに従い内容をお知らせしますが、この様式には DRAFT【草稿】の表記がありますので、確定の様式ではありません。

なお、法人税額(申告書2行目の税額)が500万円以下であれば防衛特別法人税は課されませんが、税額欄に「0」と記載した次葉二の提出は必要です。

令和7年4月1日以後開始事業年度分

令和8年4月1日以後開始事業年度分

別表一   「1」欄~「44」欄

 

 

別表一                 「1」欄~「44」欄  

別表一次葉一(防衛特別法人税額の計算) 「45」欄~「73」欄

別表一次葉 「45」欄~「67」欄

別表一次葉二              「74」欄~「96」欄

●別表一

引用番号の変更だけで、内容に変更はありません。

●別表一次葉二

名称が「別表一次葉二」となりますが、項目番号と引用番号が変更だけで、内容に変更はありません。従来通りこの次葉で法人税額・地方法人税額を計算して別表一へ転記します。

●別表一次葉一

 防衛特別法人税額の計算

 

追加部分です。別表一を基にして防衛特別法人税額を計算・記載します。別表一への転記項目はありません。

以下の事例は、所得金額が 35,345,600  別表一の「2」欄の税額が 7,544,040 で、特別控除額等の調整事項がない場合です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所得の金額に対する法人税額

(2)-(3)+(4)+(6)+(9の外書き)-(別表六(二)付表六「7の計」)+別表六(六)「⑨の㉔」+「⑨の㉖」)

45

  7,544,040  

外国税額の還付金額

    (73)

60

 

課税留保金額に対する法人税額

      (8)

46

 

中間納付額

   (58)-(57)

61

 

基礎控除額 (500万円×月数÷12)

47

 5,000,000  

  計 (60)+(61)

62

 

基礎控除残額((47)-(45))

     マイナスの場合は「0」

48

 0  

 

 

【略】

 

63

 

課税標準法人税額 (67)+(69)

49

2,544,000  

64

 

防衛特別法人税額(68)

50

101,760  

65

 

税額控除超過額相当額の加算額   

51

 

66

 

課税保金額に係る防衛特別法人税額(70)

52

 

所得の金額に対する法人税額に係る課税標準法人税額   (45)-(47)

 マイナスの場合は「0」

67

2,544,000  

防衛特別法人税額計 (50)+(51)+(52)

53

 101,760  

同上の4%相当額

68

101,760  

分配時調整外国税相当額及び外国関係会社等に係る控除対象所得税額等相当額の控除額   

54

 

課税保金額に対する法人税額に係る課税標準法人税額   (46)-(48)

 マイナスの場合は「0」

69

 ,000  

仮装経理に基づく過大申告の更正に伴う控除防衛特別法人税額

55

 

同上の4%相当額

70

 

外国税額の控除額

56

 

 

【略】

 

71

 

差引防衛特別法人税額

        (53)-(54)-(55)-(56)

57

101,700  

72

 

中間申告分の防衛特別法人税額

58

00  

73

 

差引確定防衛特別法人税額 (57)-(58)

(中間申告の場合はその税f額とし、マイナスの場合は(61)へ記入) 

59

101,700  

 

 

 

 

 

申告書別表五(一)「利益積立金の明細」及び別表五(二)「租税公課の明細」へは、地方法人税と同様法人税と合算して記載するものと思われます。

 

製作・著作 協進会管理人 山元 悟    2025 / 06 )