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申告書の書き方

所得税申告書に次の様式があります。

申告書A

第一表及び第ニ表

主に給与所得者の還付申告、給与以外に配当所得や雑所得のある人が使います

予定納税のない人が使います

申告書B

第一表及び第ニ表

主に事業所得者が使います

予定納税のある人が使います

申告書B

に添付

第三表

分離課税用

第四表

損失申告用

第五表

修正申告用

ここでは、最も基本的な申告書Bの第一表及び第ニ表を説明します。申告書Aについては 別項 をお読みください。

【所得税申告書の仕組み】に登場していただいた鈴木さんに再登場してもらいます。なお、鈴木さんは従来から青色申告をしています。

■ 第一表・第ニ表?

第一表は申告書の表紙(顔・表)で、第ニ表は第一表の各項目の明細です。従って申告書の作成は 第ニ表 ⇒ 第一表 の順になります。

■ 申告書 B 第ニ表

○.所得の内訳(源泉徴収税額)

源泉徴収の対象となる所得がある場合に記載します。鈴木さんの場合は、配当所得が該当します。

所得の種類

種目・所得の生ずる場所又は給与などの支払者の氏名・名称

収 入 金 額

所得税及び復興特別

所得税の源泉徴収税額

配当

(株)○○・コーポレーション

1,500,000

306,300

 

 

 

*

 

 

 

*

 

源泉徴収税額の合計額

306,300

 源泉徴収の対象となる所得には、源泉徴収票などを添付する(配当所得は添付不要)

給与所得や源泉徴収の対象となる報酬・料金の収入がある人は、源泉徴収票・支払調書を添付します。なお、配当は配当の支払者が個人別の支払明細(法定調書)を税務署に提出することになっていますから、添付不要です。

給与所得の場合は、源泉徴収票の「支払金額」「源泉徴収税額」をそのまま記載します

○.事業専従者に関する事項

鈴木さんの場合は、奥さんが事業専従者です。

 

続 柄

従事月数・程度

仕 事 の 内 容

専従者給与(控除)額

氏   名

鈴木 △△子

 妻

12ケ月、業務全般

3,650,000

生年月日

昭 ××.××.××

氏   名

 

 

 

 

 

 

 

生年月日

 

 

専従者給与(控除)額の合計額

3,650,000

 

○.特例適用条文など

 

 

この欄には次の内容を記載します。

事業所得で社会保険診療報酬など課税の特例の適用を受ける場合

適用を受ける条文

青色事業者が増加試験研究費の特別控除の適用を受ける場合

給与所得者の特定支出控除の適用を受ける場合

「法57の2」と特定支出の合計額

住宅借入金(取得)等特別控除の適用を受ける場合

居住開始年月日

○.雑所得(公的年金等以外)・総合課税の配当所得・譲渡所得・一時所得に関する事項

鈴木さんの場合は、配当所得に関して記載します。

所得の種類

種目・所得の生ずる場所

収入金額

必要経費

差引金額

配当

(株)○○・コーポレーション

1,500,000

0

1,500,000

1

 

*  

 

 

 

*

 

 

 

 

*

 

 

○.所得から差し引かれる金額に関する事項

所得控除には多くの項目がありますから、ここでは鈴木さんが適用を受ける項目だけを取り上げます。なお、生命保険料・地震保険料の各欄には保険料の支払額を記載しますが、第一表には控除額を記載します。

雑損控除

医療費控除

社会保険料控除

社会保険の種類

支払保険料

小規模共済等掛金

 

 

国民健康保険・国民年金

470,500

 

 

 

 

 

 

合   計

470,500

 

 

生命保険料控除(*)

新生命険料の計

18,000

旧生命険料の計

32,500

新個人年金保険料の計

*

旧個人年金保険料の計

150,000

介護医療保険料の計 * *

地震保険料控除(*)

地震保険料の計 85,000 旧長期損害保険料の計 *
寄付金控除

本人該当欄

□寡婦(寡夫)控除

□勤労学生控除

 

 

障害者控除

 

 

配偶者(特別)控除・扶養控除

 

配 偶 者 の 氏 名

生 年 月 日

□配偶者控除

□配偶者特別控除

 

 

扶養親族の氏名

続   柄

生 年 月 日

控  除  額

鈴木◇◇

 母

 昭  〜 (78歳)

58万円 

鈴木××

 子 

 平  〜 (19歳)

63万円 

 

 

 

 

 

扶養控除額合計

1,210,000

(*)第一表に記載する控除額は

◆生命保険料

平成24年1月1日以後に締結 したものと、それ以前のものを 区分します。

平成23年12月31日までに締結 したもの

平成24年1月1日以後に締結 したもの

旧生命保険料

内容が医療費等の給付のものを含みます 

新生命保険料

内容が医療費等の給付のものは、介護医療保険料になります 

 

介護医療保険料

 

旧個人年金保険料

 

新個人年金保険料

 

上記の区分ごとに控除額を算定します(1円未満の端数は切り捨て)。

旧生命保険料、旧個人年金保険料

新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料

支払った保険料の金額

控   除   額

支払った保険料の金額

控   除   額

25,000円以下

全額

20,000円以下

全額

25,001円から 50,000円まで

支払合計額×1/2+12,500円

20,001円から 40,000円まで

支払合計額×1/2+10,000円

50,001円から 100,000円まで

支払合計額×1/4+25,000円

40,001円から 80,000円まで

支払合計額×1/4+20,000円

100,001円以上

一律 50,000円

80,001円以上

一律 40,000円

  ● 旧生命保険料の控除額の上限は5万円ですが、旧生命保険料と新生命保険料の両方に支払額がある場合、両者の合計額の上限は4万円です。

  ● 旧個人年金保険料の控除額の上限は5万円ですが、旧個人年金保険料と新個人年金保険料の両方に支払額がある場合、両者の合計額の上限は4万円です。

各控除額の合計額が12万円を超える場合は、12万円が限度になります。

鈴木さんの場合は、新生命険料 18,000円、旧生命険料 32,500円、旧個人年金保険料 150,000円ですから

旧生命険料の控除額

(32,500×1/2+12,500)=28,750

控除額は上限額の 40,000

合計の 90,000円が生命保険料控除額です

新生命険料の控除額

(    全   額    )=18,000

旧個人年金保険料

(    上 限 額      )=50,000

◆生命保険料

地震保険料

支払保険料の全額 ( 50,000円を超える場合は50,000円 )

地震保険料控除額と旧長期損害保険料控除額の合計額が50,000円を超える場合は50,000円

旧長期損害保険料

10,000円以下 ⇒ 全額

10,001円以上20,000円以下  ⇒ 支払保険料×1/2+5,000円

20,001円以上  ⇒ 15,000円

鈴木さんの場合は、支払額が 85,000円ですから、控除額は上限額の 50,000円です。

○.住民税・事業税に関する事項

扶16

養歳

親未

族満

扶養親族名

続柄

生年月日

別居の場合の住所

配当に関する住民税の特例

 

鈴木××

平10年×月×日

 

非居住者の特例

 

 

 

 

 

配当割額控除額

 

 

 

 

 

株式等譲渡所得控除額

 

配当所得の金額 + 確定申告不要制度を選択した未上場株式の少額配当金  

寄附金

控除額

都道府県、市区町村分

 

条  例

指定分

都道府県

 

住所地の共同募金会等分

 

市区町村

 

給与等以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択

    (給与所得のある人が選択します  )

 ○  給与から差引

 ○  自分で納付

非 課 税 所 得 な ど

番号

所得金額

所得税で専従者としていない場合で、事業税・住民税では専従者とする場合

損益通算の特例適用前の不動産所得

 

不動産所得から差引いた青色申告特別控除額

 

事業用資産の譲渡損失など

 

別居の控除対象配偶者・扶養親族・事業専従者の氏名・住所

氏名

住所

前年中の開廃業        開始・廃止

年月

 

所得税で控除対象配偶者などとした専従者

氏名

給与

第ニ表の記載内容と、事業所得のある人は決算書(青色申告)・収支内訳書(白色申告)の内容を第一表に転記して、税額の計算を行ないます。

■ 申告書 B 第一表

 一番上に、申告者の住所・氏名・職業・生年月日・電話番号などを記載します。

 

種類

青色

分離

損失

修正

 

番号

 

種類欄のうち、該当するものを○で囲みます。

また、分離課税・損失申告・修正申告の場合も「申告書 B 」を作成し、第三表〜第五表を添付することになりました。

1.収入金額等 … 左上の収入金額等の欄から記載を始めます。

 

 

 

 

事業

 営 業 等

58,217,549

決算書(内訳書)に記載している金額です。

 農   業

 

 

 不  動   産

1,020,000 

これについても、収入金額を記載します。 

 利      子

 

 

 配      当

1,500,000

 

 給      与

 

 

 公的年金等

 

 

 そ の 他

1

総合

譲渡

 短    期

 

 

 長    期

 

 

 一      時

 

 

2.所得金額 … 今度は所得金額を記載します。

 

 

 

事業

 営 業 等

6,453,282

決算書(内訳書)に記載している金額です。

 農   業

 

 

 不  動   産

213,500

1,020,000- 806,500(必要経費)です。

 利      子

 

 

 配      当

1,500,000

 

 給      与

 

 

    雑

 

 

 総合譲渡・一時

 

 

 合      計

8,166,782

 

3.所得から差し引かれる金額 … 第ニ表で計算した金額を記載します。

 

雑 損 控 除

 

 

医 療 費 控 除

 

 

社会保険料控除

470,500

 

小規模企業共済等掛金控除

 

 

生命保険料控除

90,000

 

地震保険料控除

50,000

寄付金控除

 

 

寡婦・寡夫控除

0000

寡婦・寡夫控除〜基礎控除まで

10,000円未満の端数はありません。

 

 

 

 

 

勤労学生、障害者控除

0000

配偶者控除

0000

配偶者特別控除

0000

扶  養  控  除

1,210,000

基  礎  控  除

380,000

合       計

2,200,500

 

4.税金の計算 … この表の中心部分です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

課税される所得金額

5,966,000

8,166,782-2,200,500(1,000円未満切捨て)

上の金額に対する税額

765,700

5,977,000×0.2-427,500

配  当  控  除

150,000

1,500,000×0.1

 

 

 

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除

 

 

政党等寄付金特別控除

 

 

住宅耐震改修特別控除 ・・・・・

 

 

差 引 所 得 税 額

615,700

765,700-150,000

災  害  減  免  額

 

 

再 差 引 所 得 税 額

615,700

 

復興特別所得税額 (2.1%)

12,929

所得税及び復興特別所得税の額

628,629

 

外 国 税 額 控 除

 

 

所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額

306,300

配当金の受取り時に源泉徴収された金額

所得税及び復興特別所得税の申告納税額

322,329

所得税及び復興特別所得税の予定納税額

223,600

第1期・第2期分の税額=前払分

第3期分の税額

納める税金

98,700

100円未満切捨て

還付される税金

*

 

5.その他

 

 

 

 

配偶者の合計所得金額

 

配偶者特別控除の適用を受ける場合に記載

専従者給与(控除)額の合計額

3,650,000

青色決算書(白色内訳書)に記載している金額です。

青色申告特別控除額

650,000

青色決算書に記載している金額です。

雑所得・一時所得の源泉徴収税額の合計額

 

 

特殊な項目なので省きます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴木さんの場合は還付申告ではありませんから、第一表の右上の(印)欄に押印すれば申告書の作成は終了です。

添付書類(鈴木さんの場合は生命保険料・損害保険料控除の証明書)を確認して、3月15日までに提出しますが、郵送の場合は15日の消印があれば期限内の申告になります。

【補足…分離課税の場合】

分離課税(主に土地・建物、株式の売却をした人が対象です)の申告をしなければならない人は
 申告書B+分離課税用の申告書(申告書B第三表)
を作成します。
◆まず、第一表で総合課税の「課税される所得金額」を計算します。
◆分離課税用の申告書(第三表)で、土地・建物の譲渡所得、株式の譲渡所得、商品先物取引の譲渡所得、山林所得、退職所得 を計算して、総合課税の所得金額も書き加えます。
◆最後に、それぞれの税額を算出・合計して、第一表の「税金の計算」欄に戻ります。

 退職所得 … 原則は申告不要です。所得税を差し引かれている場合は、申告で税金が戻る可能性があります。
 山林所得 … 5年を超えて所有していた山林を譲渡した場合など

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