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【令和2年度税制改正のポイント】

1.地方法人税、事業税の税率など

令和元年10月1日の消費税率改正に伴う措置(昨年度の改正事項)ですが、令和元年10月1日以後開始年度とそれ以前では、次の様に税率・税目が異なりますのでご注意ください。

 

令和元年9月30日までに開始した事業年度

令和元年10月1日以後に開始した事業年度

地方法人税

  4.4%

 10.3%

地方法人特別税(所得割)

  43.2%

( 廃止 )

特別法人事業税(所得割)

( 令和元年10月1日 ~ )

 37%

事業税(所得割) ※

 

 6.7%

 7.0%

軽減税率  ~ 400万円 ⇒ 3.4%  ~ 400万円 ⇒ 3.5%
 ~ 800万円 ⇒ 5.1%  ~ 800万円 ⇒  5.3%

道府県民税法人税割 ※

 3.2%

 1.0%

市町村民税法人税割 ※

 9.7%

 6.0%

 ※ 地方税の税率はいずれも標準税率です

2.適用延長(いずれも2年間の延長です)

交際費の損金算入限度額

 

少額減価償却資産の損金算入

適用対象法人の従業員要件が 1,000人から 500人に引き下げられました

3.その他(法人税)

別表四

仮計以降の調整項目に1項目(※)追加され、最終行が「48」になっています。ただし、簡易様式では省かれている項目のため(簡易様式では)実質的な改正はありません。

(※)特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の特別勘定繰入額の損金算入額又は特別勘定取崩額の益金算入額(別表十(六))

別表三(一)

特定同族会社の留保金課税の留保控除額の計算項目に(※)が追加されています。

別表番号の変更

別表六(十二) ⇒ 別表六(十) 「試験研究を行った場合の比較試験研究費、平均売上金額の計算」

別表六(十五) ⇒ 別表六(十四) 「中小企業者が機械装置を取得した場合の特別控除」

4.予定申告(地方税)

予定申告額は各税目とも(通常は)「前事業年度の税額 ÷ 前事業年度の月数 × 6」又は「前事業年度の税額 × 6 ÷ 前事業年度の月数」で算定しますが、令和元年10月1日以後に開始する最初の事業年度では、次の様な経過措置があります。

事業税(各〇〇割額)

 前事業年度の〇〇割額 ÷ 前事業年度の月数 × 6.3

特別地方事業税

 前事業年度の事業税の合計額 ÷ 前事業年度の月数 × 2.3

道府県民税・都民税の法人税割

 前事業年度の法人税割額 ×1.9 ÷ 前事業年度の月数

市町村民税の法人税割

 前事業年度の法人税割額 ×3.7 ÷ 前事業年度の月数

5.電気供給業に係る事業税・特別法人事業税の課税方式及び税率 

 お詫び 2020/7/29~8/10 の間、誤った内容で記載していました。以下に、訂正させて頂きます。 

電気供給業(小売電気事業等及び発電事業等)については、令和2年4月1日以後に開始する事業年度から、改正後の課税方式・税率が適用されます。

対象事業者

法人の種類(規模)

 事 業 税 の 課 税 方 式 ・ 税 率

令和2年4月1日以後に開始する事業年度

令和元年10月1日から令和2年3月

31日までに開始する事業年度

小売電気事業等

及び発電事業等

資本金(出資金)の額が1億円を超える普通法人

収入割 

標準税率 0.75

収 入 割

( 標準税率 1.0 )

付加価値割  
資本割  

上記以外の法人

収入割 

標準税率 0.75
所得割 標準税率 1.85

特別法人事業税の税率

40% (収入割にだけ課税されます)

30%

これに伴い、電気供給業者については令和2年4月1日以後に開始する事業年度(令和3年3月末決算)用の第6号様式等は改正後の課税方式に対応したものに改正されます。

事業区分

法(地方税法)第72条の2第1項第1号に掲げる事業(第2号及び第3号以外の事業) 

法第72条の2第1項第2号に掲げる事業(送配電事業、特定のガス供給業、保険業等)  

法第72条の2第1項第3号に掲げる事業(小売電気事業等及び発電事業等)  

 

6号様式

(電気供給業者以外の事業者)

6号様式(その2)

(電気供給業者(他の事業との併業を含む))

6号様式

(事業税)

 

摘         要

課税標準

税率

税 額

所得金額総額

27

 

 

 

年400万円以下の金額

28

 

 

 

年400万円を超え年800万円以下の金額

29

 

 

 

年800万円を超える金額

30

 

 

 

 計 28+29+30

31

 

 

 

軽減税率不適用法人の金額

32

 

 

 

付 加

価値割

付加価値総額

33

 

 

 

付 加 価 値 額

34

 

 

 

資本金等の額総額

35

 

 

 

資本金等の額

36

 

 

 

収入金額総額

37

 

 

 

収  入  金  額

38

 

 

 

   合 計 事 業 税 額

39

 

 

 

摘         要

課税標準

税率

税 額

 

 

 

 

1

 

 

所得金額総額

    別表5(36)

27

 

 

 

年400万円以下の金額

28

 

 

 

年400万円を超え年800万円以下の金額

29

 

 

 

年800万円を超える金額

30

 

 

 

計 28+29+30

31

 

 

 

軽減税率不適用法人の金額

32

 

 

 

付 加

価値割

付加価値総額

33

 

 

 

付 加 価 値 額

34

 

 

 

資本金等の額総額

35

 

 

 

資本金等の額

36

 

 

 

収入金額総額

37

 

 

 

収  入  金  額

38

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所得金額総額

    別表5(36)

39

 

 

 

所 得 金 額

40

 

 

 

付 加

価値割

付加価値総額

41

 

 

 

付 加 価 値 額

42

 

 

 

資本金等の額総額

43

 

 

 

資本金等の額

44

 

 

 

収入金額総額

45

 

 

 

収  入  金  額

46

 

 

 

   合 計 事 業 税 額

47

 

6号様式の左下部分は「所得金額の計算の内訳」ですが、この部分は6号様式(その2)では削除されています。従って、所得金額の算定のために6号様式別表5(所得金額に関する明細書)の作成が必要になります

6号様式

別表14

1.基準法人所得割額の計算

摘    要

所得割の

課税標準

税率

基準法人

所得割額

 

 

 

 

 

 

 

所得金額総額

1

 

 

 

年400万円以下の金額

2

 

 

 

年400万円を超え年800万円以下の金額

3

 

 

 

年800万円を超える金額

4

 

 

 

 計  2+3+4

5

 

 

 

軽減税率不適用法人の金額

6

 

 

 

2.基準法人収入割額の計算

摘    要

収入割の

課税標準

税率

基準法人

収入割額

収入金額総額

7

 

 

 

収  入  金  額

8

 

 

 

 

 

1.基準法人所得割額の計算

摘    要

所得割の

課税標準

税率

基準法人

所得割額

 

 

1

 

 

所得金額総額

1

 

 

 

年400万円以下の金額

2

 

 

 

年400万円を超え年800万円以下の金額

3

 

 

 

年800万円を超える金額

4

 

 

 

 計  2+3+4

5

 

 

 

軽減税率不適用法人の金額

6

 

 

 

2.基準法人収入割額の計算

摘    要

収入割の

課税標準

税率

基準法人

収入割額

収入金額総額

7

 

 

 

収  入  金  額

8

 

 

 

収入金額総額

9

 

 

 

収  入  金  額

10

 

 

 

 

その他

 6号様式別表5(所得金額に関する明細書)

 6号様式別表9(欠損金等及び災害損失金の控除明細)

第2号は収入割だけ課税されるので、表題に(法第72条の2第1項  第1号・ 第3号  に掲げる事業)が追加されます。

 6号の3様式(予定申告書)

第3号事業者(他の事業との併業を含む)は第1号~3号ごとに記載欄が分割され、記載項目が増えるため「第六号の三様式(その2)」と「第六号の三様式(その2) 次葉」の作成が必要になります。


製作・著作: 協進会管理人  ( 2020 /06 / 05 )、( 2020 /08 / 10  改定補筆 )


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