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還付金を受入れている場合の申告書の書き方


(株)S社の事例で、還付請求額が発生した翌年です。

申告調整事項は、租税公課と欠損金以外は前節までとほぼ同じ内容です。

■ 仮計までの申告調整

当期損益と利益処分

未処分

損 益

前期繰越損失

0

 

当期利益

3,124,352

3,124,352

 処 分 

別途積立金繰入れ

2,000,000

2,000,000

次 期

 

 

1,124,352

当期は 3,124,352円の黒字ですが、税法上の欠損金を  3,995,310円繰越しています。住民税の均等割しか生じないため、当期の法人税・住民税としては均等割の 70,000円 だけを未払計上しています。

●別表4

当期利益金額を「当期利益又は欠損」欄に記載

●別表5(1)

期首欄に前期繰越額を記載し、当期利益金額を「繰越損益金」欄に記載する

還付・納付税の内訳

 

還     付

納付(均等割・源泉分)

法人税、地方法人税

1,374,800

 

 

道府県民税

13,400

 

10,000

市町村民税

74,700

 

25,000

事業税、特別法人事業税 

 

394,900

 

所得税及び復興特別所得税(源泉分)

 

81,450

 

  計

1,462,900

 

 

1,462,900円 は前期の確定申告で 「未収還付法人税等」 として処理している金額です。

■ 別表5(2)

前期が欠損のため、当期は中間申告がありません。

受入れた還付金は全て収益としましたから、損金経理欄にマイナスの金額で記載します ( 前期に未収計上=仮払経理としている場合は、仮払経理欄にマイナスの金額で記載します) 。

法人税・道府県民税・市町村民税の還付請求額は前期から繰越していますが、事業税・所得税の還付請求(権)は申告時点で生じているため、当期発生欄に記載します。

■ 別表4 

損金の額に算入した道府県民税・市町村民税 ⇒ 均等割額です。

法人税等の中間還付額(減算「18」) ⇒ 前期の確定申告で 「未収還付法人税等」 として処理している金額です。

事業税・特別法人事業税は損金算入税です。納付した事業税・特別法人事業税を損金算入しても申告調整は不要で、その逆の場合も申告調整は不要です。

■ 別表5(1)

還付金の受入れによって、前期から繰越した「未収還付法人税等」が消えます。


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